新たな1年が始まったと思っていたら、もう4月。
この3ヶ月間の記憶がすっ飛んでしまったのでは…
と思うほど、月日の経つスピードの速さに驚かされます。
年度の切り替えということもあり、春は環境の変化が起きやすい季節ですね。
かく言う私も、本日は子どもの小学校の入学式でした。
ピカピカのランドセルを背負い、キラキラとした表情の新入生たち。
溢れる笑顔がまぶしかったです。
我が家では、入学式よりも一足先に4月1日から登校を始めました。
その、小学校で過ごす第1日目のこと。
初めての環境に腰が引け、部屋に入ることもままならない息子に
1人の少年が駆け寄り、声をかけてくれました。
「僕はね、昨日まで1年生だったんだけど、今日から2年生なんだ。
最初は僕も泣きながら来てたよ。色々教えてあげるね」
慣れた手つきでテキパキとお世話をしてくれる少年。
「荷物はここに置いてね」
「針が危ないから名札は僕がつけてあげるね」
おおーっ! たったの1年で、こんなにも成長するのか!
感動を覚えながら学校を後にし
自分が先輩になるときはどんな感じだったかなあ、と思い起こしてみました。
あなたは、自分が “先輩社員” になったときのこと、覚えていますか。
この春先輩になったばかりです!という方もいらっしゃるかもしれません。
社会人2年目、私に初めてできた後輩は、年上の男性でした。
一番下の立場として、周囲から可愛がってもらっていた私にとって
そして自分が若いこと、女性であることに劣等感を抱いていた私にとって
彼の配属の知らせは、心中穏やかに受けとめられるものではありませんでした。
ナメられたら絶対イヤだ、どんな風に接すればいいんだろう。
年上だけど私の方が先輩だし、こういうときって敬語?タメ語?はじめが肝心だよね。
すんごいデキる人で、仕事をとられちゃったらどうしよう…
恥ずかしながら、4月1日を迎えるのが憂うつで
仲間が増えるという喜びや、たくさん教えてあげよう!という前向きな気持ちよりも
不安でいっぱいで、勝手にプレッシャーを感じていたことをよく覚えています。
あなたは、どんな気持ちで後輩を迎え入れましたか。
かつての私のように、肩に力が入りすぎている方のために
「センパイ初心者のためのアドバイス」を贈ります。
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■ 「人としての礼儀」をわきまえる
挨拶は自分からする。
話すときは相手の目をきちんと見る。
子どものときから教わっているような礼儀は
相手が誰であろうと忘れないこと。
相手が格下になると、それを忘れる人は意外と少なくありません。
人としての礼儀がきちんとできている人は
「人としての信頼」を得ることができます。
人としての信頼を勝ち得ていると、周囲に味方ができやすくなり
相手が人であるがゆえに起こる摩擦や、仕事の障害が起きにくくなります。
自分ひとりの力でできることなんて
ましてや未熟な立場ならなおのこと、限られている。
例え、ひとりしかいない部署やひとり社長であっても
他の誰とも関わり合いを持つことなく
自分だけで全ての仕事が完結する、ということは無いんです。
仕事には、他人の存在が不可欠。
だからこそ「信頼」は
自分が思い描いたとおりに仕事を進めるための武器になります。
万が一礼儀を欠いていたとしても、仕事はできます。
でも、最低限の礼儀をきちんと実践することで仕事がスムーズにいくならば
私は後者を選択します。
余談ですが
「されたら返すけど、自分からは挨拶しない」という方はご注意を。
挨拶という日々の習慣をとおして
「他人からの働きかけがあれば行動する」という“受動的な精神”を
知らず知らずのうちに、自らの手によって磨き上げてしまいますよ。
■ 現状維持 と 成長 は 共存 しない
今抱えている仕事を手放すことでこそ
新たな仕事 = 新たな経験 を手に入れることができます。
新たな経験を積まない = 現状を維持する ということ。
現状維持と成長は、同時に成り立ちません。
引き継げるものがあるならば、どんどん教えて、どんどん手放す。
そして、先輩社員の仕事をどんどん奪って経験値を高めてください。
今日まであなたが仕事に向き合いながら過ごしてきた時間は
決して一朝一夕で追い抜かれるような、生ぬるい時間ではなかったはず。
過去の仕事にしがみつかずに、新たなステージに進みましょう。
■ センパイ初心者にしかできないこと
これまで、あなたが一番の下っぱの社員だったのだとしたら
あなたにしかできないことがあります。
それは、後輩の頭の中や胸の内を理解すること。
先輩や上司からの指導に対して
納得がいかなかったり
スムーズに理解できなかった経験はありませんか。
それはあなたが、部下・後輩の視点しか知らなかったからかもしれません。
親にならないと親の気持ちは分からない、というように
先輩の視点は、後輩ができてこそ
上司の視点は、部下をもってこそ、初めて知ることができます。
その立場ならではの、ものの見え方、考え方があるんです。
そして今、後輩とは別のステージにいながらも
彼らの気持ちを最もよく理解できるのは
つい最近までその立場にいた、あなたです。
後輩の視点しか持っていなければ
彼らの頭の中や胸の内を理解してあげたところで
単なる不満や愚痴の言い合い、傷のなめあいになってしまいかねない。
でも、今のあなたは違います。
後輩の視点、そして新たに手に入れた先輩の視点。
「気持ちはわかるけど、まずはやってみよう。それが今できることだよ」
「もしかして、ここが理解できてない?」
「私も最初は無理!と思ったけど、慣れれば大丈夫!」
放任主義、細やか指導派、どんなスタイルの指導をするにしても
双方の視点のギャップを生かした働きかけで
後輩を目的に向かわせたり、動かしたりできるのは
今のあなただからこそできることです。
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「先輩に、ついていきます!」
そんな嬉しい言葉をもらえる日も、そう遠くはないかもしれませんね。